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frAgile
¥600
SOLD OUT
サークル名:heartrium 作家・アーティスト名:偲 凪生 *収録タイトル 「さよならの国の晩餐」 失踪した父親は亡くなっていた。しかも生前は生活保護を受給していて、墓もどこにあるか分からないという。 そう母親から告げられた主人公は、数年ぶりに母親に会いに行き、ふたりで墓参りへ行くことになる。 「にじのたもと」(小説サイトに掲載中) 普通の人生とは、何なのか? 名前のない生きづらさを抱えながら、音楽に支えられて生きる主人公。 ひょんなことからSNSで知り合った音楽仲間と、現実世界でも交流するようになって――。 *表紙、扉:トエさま *収録作品はすべてフィクションです。実際の人物・団体とは関係がありません。
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melanCholy
¥700
SOLD OUT
サークル名:heartrium 作家・アーティスト名:偲 凪生 *収録タイトル 「52Hzのジオラマ」(小説サイトに掲載中) 大衆雑誌の記者となって1年の『俺』は、連続殺人事件の犯人をスクープしようと人魚伝説でかつて一世を風靡した港町へやって来た。 その港町には怪しい伝説があった。 数百年前、町に偶然打ち上げられた人魚。当時の住人たちは不老不死を求めて人魚を食べたという言い伝え。 しかしそこで出会ったのは、殺人犯でも人魚でもなく、恐ろしい見た目をした半魚人だった。 人間を喰らう半魚人と死を渇望する『俺』。 彼らの頭上に流星群が降り注ぐとき、奇跡が起きる—— 「散れ散れ、満ちろ。」 20歳になったら一緒に死のう。 生き延びて、30歳になったとき、お互いが独身だったら結婚しよう。 かつて、涼風まどかと倉持宗佑はそんな約束を交わした。 その約束はどちらも果たされることはなかった。宗佑は別の女性と結婚し、まどかとは疎遠になったからだ。 40歳を迎える直前、まどかの前に憔悴した宗佑が突然現れた。 彼はまどかに懇願する。 「僕のことを殺してくれないか」 ふたりの間で交わされた、もうひとつの約束。 それは、『40歳になって、どちらかが死にたがっていたら、殺してあげよう』というものだった。 当然ながら今のまどかにそんな意志はなく―― *表紙、扉:トエさま *収録作品はすべてフィクションです。実際の人物・団体とは関係がありません。
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栄螺
¥200
SOLD OUT
サークル名:チューリップ庵 作家・アーティスト名:瑞穂 檀 目覚めると、私は手に栄螺の殻を握りしめていた。そこから漏れてくるのは…。 不条理短編。 ------------------冒頭-------------------------- 目覚めると、半裸で冷たいフローリングに寝転がっていた。 右手に栄螺の殻が握られている。 窓にかかるカーテンは見覚えのある、我が家のリビングのそれ。射す陽は明るい。 夕べ、どこかの飲み屋に入ったのは覚えている。気前よく注文して飲み食いして、恐らくカードで支払ったに違いない。 気分は良くない。酒が全身に、それこそ脳みその毛細血管の全部に残っている感じ。そして栄螺の殻はごつごつしていて、痛い。 「なんでぇ? 食べたのかなぁ……サザエ……」 壺焼きだろうか。微かに醤油の匂いがする。 くすくすと笑い声がし、一瞬で消えた。 「タクヤ?」 夫の名を呼んだが、返事はない。家はしんと静かだ。それに、さっきの笑い声は女性のようだった。 空耳だろうか。なにせ、体に酒が残っている。 栄螺を放り出してバスルームへ。シャワーを浴びても気持ちは晴れない。頭の中にもやがかかったような、夢心地。 水を飲んでベッドに潜り込んだ。 夫はどこに行ったんだろう。 昨日は……そうだ、実家の母に呼び出されたのだ。でも私は友人のユキナと約束があったから、断った。それからどうしたっけ? タクヤが、「僕が行くからいいよ」と言ったのだ。一年前に結婚したタクヤは、気持ちの穏やかな人だ。結婚なんか一生する気がなかったのに、タクヤがいい人過ぎてプロポーズを受けてしまった。 ユキナと街歩きをして夕飯を食べて、そこで飲みすぎたんだろうか。飲み屋に入った時は一人だった気がする。なら、ユキナと夕飯を済ませて、それから一人で飲み屋に? 記憶がまとまらなくて、私は仕方なくベッドを出た。ショルダーバッグは玄関に落ちていた。財布もスマホも無事だ。 自分のメッセージ履歴を見る。ユキナ宛に『ごめんね』と送っていた。ユキナから『いいよ、また会おうね。旦那様によろしくね』という返信がある。どういう成り行きだったか覚えてない。 酔っている間の記憶をなくすのは初めてじゃないけど、酔う前から覚えてないなんて、おかしい。 ユキナに確認してみようか? でも、おかしい奴って思われるんじゃ……。 ショルダーバッグをぶら下げてリビングに戻る。足の先で栄螺を蹴っ飛ばした。 「片付けなきゃなぁ。なんでこんなモン、持って帰ったんだろ」 それを拾い上げる。醤油の匂い。くすくす笑いが聞こえて、すぐに消えた。 私は……子供の頃のことを思い出した。母が言ったのだ、貝殻に耳を寄せると潮騒が聞こえると。醤油臭い栄螺に耳を寄せた。くすくす笑いがさんざめき、消えた。 懐かしい声のような気がした。私は酔った頭で、くすりと笑った。そして栄螺を水洗いして、シンクに置いた。
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ベンチの妖精
¥650
SOLD OUT
サークル名:チューリップ庵 作家・アーティスト名:瑞穂 檀 高校生のサチは、深夜の公園で小さな女の子と出会う。その子は自分を「ベンチの妖精」と言っていて… 上手くいかない昼間の学校生活と、夜の公園での少女とのふれあい。少し切ないファインタジー ------------------冒頭-------------------------- 小さな公園にベンチがある。カラフルで新しいベンチは、日当たりの良い砂場の脇やブランコの前。一番古くて色の褪せたベンチは、公園の端っこの寒々とした日陰に所在無げに佇んでいる。 サチが小学校に上がる前は、公園の全部に陽が当たっていて、古いベンチもぽかぽかの陽気の中にあった。けれど今では、背後にマンションが建ってしまい、文字通り日陰の存在。冬の休日、新しいベンチは日差しの中で人々の憩いの場になっているのに、日陰のベンチは誰も座りたがらない。 その日。サチは、真夜中にふらりと外に出た。 一月の半ばである。真冬の深夜は、寒い。スウェットの上にジャージを着て、更にダウンジャケットを重ね着して。両手をポケットにつっこんで、家族に黙って玄関を出て。近くのコンビニに行くだけじゃ気分転換には足りないと思い、少し遠回りした。 吐く息が白いなぁと、必要以上に大きく息を吐きながら歩く。そして、その小さな公園に辿りついた。 集合住宅と隣り合わせで、東門は図書館の裏門と向かい合わせ。西門は二車線ある道路に面している。土日の午後に通りかかると、親子連れがちまちまと遊んでいるのだが、真夜中はさすがに人影が無い。 子供の頃にはブランコや滑り台で遊んだけれど、高校生になってからは、何かの拍子に通りかかるだけ。門柱の間を通り抜けたのは、久々だった。 ベンチが目に入った。古くて色あせたベンチ。 サチは瞬きをする。 ベンチに人影があったのだ。しかも、小さな女の子。 公園の時計に目をやる。二時半。夜の二時半は子供が遊んでいい時間じゃない。 女の子はベンチに座ってサチを見ていた。 短めのデニムのスカートに、フリースのジャケットを着ている。黒いタイツとボアのついたショートブーツを履いているけれど、それでも寒そうな格好だ。 サチは、ベンチに歩み寄る。 女の子はベンチに座ったまま、にこにこしながらサチを見上げた。くっきりした瞳が可愛らしい。黒い髪は豊かで、華奢な背中を腰まで覆っていた。 「何してんの?」 尋ねるサチの声は、少し震えた。寒いのだ。歯茎が凍えそう。 答える女の子の声は、涼やかで落ち着いていた。 「座って、見ているの」 「何を?」 「色々なもの。今は、お姉さんを見ているの」 なんだか屁理屈ぽいが、女の子の表情も声も、とても素直だった。 小学校の三年生くらいかなと、サチは女の子の年齢に当たりを付ける。 「帰らないの? 親、心配してない?」 「お姉さんこそ帰らないの? おうちの人が心配してない?」 「寝てるから気が付いてないよ。ていうか、私とあなたは違うの。歳がぜんっぜん違うから。子供は家で寝てなきゃだめで、高校生はふらふら外を歩きたい年頃なの」 女の子は「子供じゃないよ」と笑った。 「私、ベンチの妖精なの」 「はぁ?」 「見て。口のとこ、よ~く見てね」 女の子は大きく口を開けて、これ見よがしに息をはぁっと吐いてみせる。温かな息は冷たい空気に冷やされて、白い雲のように口から出て……こなかった。サチの口からはひっきりなしに白い息が吐きだされているのに、女の子の口元にはなんにもない。 「あれ?」 女の子はサチの気が済むまで、「はぁっ、はぁ~!」と息を吐いて見せて。サチが諦めてベンチの端っこに腰をかけると、満足そうに「ほらね」と言った。 「幽霊?」 「違う。妖精なの」 「ベンチの妖精なんているの?」 「いるじゃない、ここに」 いまいち会話にならない。とはいえ、このまま置いていっていいものだろうか。 「家はどこ?」 女の子は小首を傾げて、答える。 「そこのマンション」 古びたベンチの後ろには、小さな花壇とフェンスがある。その向こう側、昼間なら丁度ベンチに当たる陽を遮る位置に、中層マンションが建っていた。 サチが子供の頃に建ったものだ。 「こっそり出てきたの? お母さん、寝てるの?」 「そう、こっそり。お姉さんもそうでしょ? 同じね」 大人っぽい落ち着いた口調と、整った姿と、白くない息。サチはこの子が、本当に妖精のような気がしてきた。 「お姉さん、名前はなんていうの?」 「ん? サチ。あんたは?」 「妖精」 全くふざけている。信じそうになる自分に腹が立って、サチは「冗談言わないで」ときつめに窘めた。 「早く家に帰んなさい。お布団に居ないのがわかったら、親がびっくりするから」 勢いよく立ちあがり公園の出口に向かうサチの背中に、女の子は言う。 「ねえ、また遊びに来て。夜は誰もいなくて寂しいの」 「昼間に来ればいいじゃない」 「昼間は出てこられないの。だって妖精だから」 本当にばかばかしい。サチは早足で家に帰り、寝た。
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てるてる坊主の不思議 AtoZ
¥500
SOLD OUT
サークル名:てるてる坊主研究所 作者:てるてる坊主研究所 晴天祈願のてるてる坊主は、私たち誰もがなんとなく知っている身近な風習でありながら、よくよく考えてみると謎に満ちた存在です。 そんなてるてる坊主の不思議な魅力に「AtoZ」の切り口から迫る、小冊子をこのたび製作。 まめまめしく手作りで豆本(縦7センチ×横6センチ×厚さ6ミリほど)に仕上げました。オールカラー、36ページ。 「AtoZ」の26の切り口は以下のとおり。 A 【Ashita tennki ni】あした天気に B 【Bouzu】坊主 C 【China】中国 D 【Doll】人形 E 【Edo period】江戸時代 F 【Fine weather】いい天気 G 【Goro awase】語呂合わせ H 【Hang】吊るす I 【Iwasaki Chihiro】いわさきちひろ J 【June】6月 K 【Kimono】着物 L 【Ladle】杓子 M 【Moji】文字 N 【Name】名前 O 【Ohiyori bouzu】御日和坊主 P 【Paper craft】紙細工 Q 【Queer】奇妙な R 【Roots】起源 S 【Shine】照る T 【Thank you】お礼 U 【Upside down】逆さま V 【Violence】暴力 W 【Western Japan】西日本 X 【✖】罰 Y 【Yama nobori】山登り Z 【Zenya】前夜
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岩名理子作品集Vol.1 ホラー/SF/オカルト編
¥400
SOLD OUT
作家・アーティスト名:岩名理子 あらゆる種類のブラックジョーク、ホラーを集めた短編集です。どれもさらりと読めるため、隙間時間の読書に最適です。 ※本書はコンテストで入賞したものや優秀作品などの名作も含めております。 【収録作品】 ドッペルゲンガー アオキノコ 完全なる善意 パラレル・ブルー ブルーホール さらわれた宇宙人 ツチノコ 死泥 静かなる殺意 増殖
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岩名理子作品集Vol.2 コメディ・恋愛編
¥400
SOLD OUT
作家・アーティスト名:岩名理子 あらゆる種類のコメディ・恋愛を集めた短編集です。どれもさらりと読めるため、隙間時間の読書に最適です。 ※本書はコンテストで入賞したものや優秀作品などの名作も含めております。 【収録作品】 黒 韋駄天 ラブレターの主を探せ 黒瀬くんの黒い噂 桜下人魂事件簿 新入社員の迷田くんは極度の方向音痴です 真贋バトル
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詩集 余白
¥400
SOLD OUT
サークル名:名も無き堂 作家・アーティスト名:幻ノ月音 月刊詩誌ココア共和国で傑作と佳作に選出された詩を中心に書き溜めていた詩を多数集録しました。ビターテイストなものからほっこりするものまで。残しておきたい原風景の断片と季節の移ろいとともに変化する情感を詩に込めました。 全37詩作品。B6/124頁。特典に写真のポストカードを封入。 ▷ 詩集のあとがきより 本書は最初で最後の詩集になると思って作りました。もし第二集がありましたら「なんだ続けてたんじゃん」と笑ってください。さかのぼること二〇一八年辺りから書き溜めていたものを掘り起こして再構築し、推敲を重ねて完成させました。かなり未熟な作品もありますが、どうぞご容赦くださいませ。日常の中にある小さな光、すぐそばにある美しい光景を忘れないために、そしてほんの少しの驚きも混ぜて、ほっと一息つくようなあなたの余白の時間になれたなら幸いです。
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BL短編集・おかしくなりそう
¥300
SOLD OUT
サークル名:葵月 作家名:冴月希衣 【片想いって、どうしようもない】 【恋って、どうしようもない】 教師と生徒/アイドルユニット/先輩後輩/同級生 いつの間にか特別になっていた、俺とお前、君と僕の珠玉の瞬間を甘いときめきを添えてお届けします。 −収録作品− オールハピエン4編 『おかしくなりそう』 『その声で名前を呼んで、何度でも』 『Realize』 『こちら、ハッピーエンド行き特急です。ご乗車なさいますか?』 【試読・『こちら、ハッピーエンド行き特急です。ご乗車なさいますか?』より抜粋】 第一章 親友 残暑から初秋へ、季節が移り変わった。今日の空は高く、いっそう青い。 「ふあぁ。澄んだ空って、見てるだけで気持ちいいなー。なぁ、椿?」 「そうだな」 「おっ、それに、あれ! あの雲! ソフトクリームみたいな形の、モコモコの真っ白い雲! 映画のラストシーンとおんなじじゃね? バッチリじゃん」 「ソフトクリーム? あぁ、あれか。そうだな、似てると思う」 「だろ? 今日、校外活動にして良かったろ? バッチリ、聖地巡礼日和だろ? はい、写真撮ってーっ」 「撮ってって……また俺のスマホで撮るのか?」 「いいじゃん。お前のスマホ、最新じゃん」 「まぁ、いいけど。じゃ、もっと右に寄れよ。あのラストシーンの主人公と同じ立ち位置で撮るんだろ?」 「うん、頼むー」 椿とのやり取りは、いつも短い。俺の心理はたいてい伝わってるから。 「撮った。今から画像送信する。全く、わがままな副部長だ」 「えへへっ。ゆるーい部活動が成り立ってるのは、理解ある部長のおかげです。こんな良い環境なのに、なんで部員が集まらないんだろ。俺ら以外は皆、掛け持ち部員だなんて寂しいぜっ」 我慢できずに零したぼやきが、ゆるい秋風に紛れる。 親友、椿と出会えた映画研究部は俺の大事な居場所だから、もっと活気が欲しいところだ。 入学した高校に映研があると知って勇んで入部したら、正式部員は一年生の俺らだけで、先輩たちは他の部との掛け持ち登録と判明。必然的にその日が初対面の俺たちが正副部長に就任した後、半年経っても部員が増えないから張り合いがないと愚痴りたくもなる。 「千明の気持ちもわかるけど、気長に待とう。来年になれば後輩が来るかもしれないし」 「そうだな。それまでは今日みたいに校外活動を二人で楽しむかー。次は椿の好きなアニメの聖地に行こうぜ」 「あぁ」 でも、部員を増やしたいのも本心だけど、こうして椿と二人で行動するのは最高に楽しい時間なんだ。 寡黙で几帳面、成績は常にトップクラスの冷静沈着男子、椿は無類のアニメ好き。言いたくないけど常に中の中の成績、お調子者でホラー系が大好物の俺とは話が合わないはずなんだけど、なぜか、めっちゃ気が合う。 先輩たちがいない今日みたいな日は、校外活動と称して聖地巡礼をすると決めてる。二人の好きな映画のロケ地を巡ってウキャウキャするだけの、ゆるーい活動だけど、これがまぁ、最高に楽しいんだ。 なんでだろ。椿と過ごす時間は、なんでこんなに楽しいのかな。 二人でバスや電車に乗って、コンビニでジュース買って、現地で写真を撮って、はしゃいで喋って笑って喋って、またたくさん喋りながら帰る。口を動かしてるのはほぼ俺だけど、ずっと微笑んでる椿を見るのは嬉しい。 そんで、家に帰ってからもメッセージを送り合うんだ。 ——ブー、ブブッ お、返信きた。 『そういえば、帰る前にもう一枚、撮ってた写真があったから送っとく。千明のこの表情、すげぇ可愛いな。ホラー映画のエンドロールには不似合いだ』 「あ? すげぇ可愛いって……」 何、言ってんだ? 喋り口調と全く同じ文章を送って寄越した親友に向けて唇が尖る。不服だ。 不服だけど、『すげぇ可愛いな』の部分ばかり見つめてしまう。 椿は、お世辞を言わない。俺は、それを知ってる。だから、これは椿の本心で。あいつが俺を見て、そう感じたってことで……。 「やべ。顔、熱くなってきた」 照れる。 男が男に可愛いって言われて照れるなんて、おかしい。なのに、頬が火照る。 どうなっちゃったんだろ、俺。わかんない、わかんない。 「へーじょーしん! よし、オッケー!」 よくわかんないけど、平常心と唱えてれば大丈夫なはず。だって明日もあいつと会う。こんな変な自分を知られるわけにはいかない。 何気ないメッセージの一文に過剰に反応して照れてる場合じゃない。 「へーじょーしん!」 意味不明なことで動揺すんな、俺っ。 第二章 キス、キス、キス 「平常心とは……」 「何か言ったか?」 「いや、別にっ。なんも言ってない!」 どうやら、夢の中に平常心を落としてきてしまったようだ。 土曜の午後は、どっちかの家でお互いのコレクション上映会と決まってる。今日は椿の家。 でもさ、通い慣れた部屋に通された直後から、俺の心臓がおかしいんだ。 「今日は千明のお勧めから観ようか」 「う、うん」 持参したアニマルホラーのDVDを相手に渡すだけなのに、なぜか手が震えた。 「えーと、椿? 風呂、入った?」 「ん? 少し前にシャワーしたけど、なんで?」 「や、聞いてみただけ」 なんか、良い匂いがする。 部屋に入った瞬間、そう思った。それからずっとドキドキしてるから質問したよ、なんて言えない。 ちょっと壁に頭ぶつけてみようか。そんで失神したら、夢の中から平常心を拾ってこられるかも。 「再生するぞー。座れよ」 「あ、うん」 失神するタイミングを逸した。手首を引っ張られて一緒に床に座ったから。椿の部屋で映画を観る時の俺の定位置は、テレビの正面で椿の右隣。壁からは遠い。 もう諦めて映画を堪能するしかないんだけど……やべぇ。全然、入ってこない。 買ったばっかで、観るの楽しみにしてたはずなのに。映画の内容、全っ然、入ってこない! 三半規管をざわりと撫でるような、ホラー映画独特の狂気の旋律が流れてるのは感じてる。ちゃんと聞こえてる。 けど、俺の意識はテレビ画面に向かない。 ——睫毛、長いなぁ。 チラチラ見ては感心してる。映画が始まってからずっと、隣をチラ見してますぅ。
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百戦錬磨のバードは美味なる籠絡に首ったけ!
¥300
SOLD OUT
サークル名:葵月 作家名:冴月希衣 【チャラい吟遊詩人と酒豪美女の恋の作法】 リュートの名手、吟遊詩人のシンは、酒豪で妖艶なファナに一目惚れ。 得意の恋歌を捧げても全く相手にされず玉砕続きのある日、彼女を狙う危険な男が現れたことで、ファナが隠してきた秘密がシンの前で晒され……。 時代は古代バビロニア。ペルシア湾岸の港町が舞台のラブコメファンタジーです。 【試読:第一章より抜粋】 そこにあるのは、世界をかたどる純麗の色。沸き立つ大海原。さざめく白波。さながら蒼き絹布がひらめく空に、我らが黒と翠緑の美の女神は――。 「はーい、ちょっと邪魔ー。そこ、邪魔ー。どいて、どいて!」 「うおっ!」 調子よく吟じていた詩歌が、途中でぶった切られた。 「うちの店先で怪しい呪文を垂れ流すの、やめてくれない? 営業妨害禁止!」 僕の背中に痛烈な肘鉄を見舞ってきた、艶めく掠れ声の美女によって。 「酷い。呪文じゃないよ。歌! 古代から歌い継がれてる港町の恋歌を店の宣伝代わりに歌ってたんだから、営業妨害とは真逆だよっ」 「歌ぁ? 甘ったるい声で、ぐだぐだ垂れ流してた、あれが?」 見事な一撃をくらった背中をさすりさすり抗議すれば、艶めかしい稜線を描く腰に両手を添えた相手が疑念を込めた視線を送ってくる。 うーん、いつものことだけど、このパッチリと切れ上がった翠緑の瞳に見つめられると、胸の奥がぞわぞわする。やや太めの眉と、ぽてっとした下唇も官能的で堪んない。好きっ。 「そうだよ、恋歌! ファナへの熱い想いを上乗せして歌ってたんだ。大好きって!」 「あ、そう。それはそうと、シン? あんた、来店してからまだ何の注文もしてないけど、客じゃないなら帰ってくれる?」 「わっ、するする。いつもの、お願いします! だから構って? 僕、お客!」 店から追い出されるわけにはいかない。自己顕示は一時中断だ。椅子に素早く腰かけた。 「いつもの昼定食だね。了解。待ってな。今日も最高のパン、食べさせてあげるよ」 「うん、お願いしますっ」 あでやかな笑みを残して店の奥へと去っていく豊満な肢体の持ち主に笑顔で応える。心で泣きながら。 「ああぁ、今日も渾身の求愛、さらっと流されたぁ。僕に笑いかけてくれるのはパンを注文した時だけとか、心折れるぅ。自信喪失ぅ」 ぼやき声が漏れぬよう、円卓に突っ伏す。心の底から、ぐったりだ。もう、幾度、求愛しただろう。ビール醸造所、兼、食堂『小麦と酵母亭』を切り盛りする麗しい女主人。僕のひとめ惚れの相手に。 「やっぱり年下は対象外なのかな。僕、見た目は悪くないと思うんだけど」 というか、人並み以上の容姿だという自覚はある。緩く波打つ薄茶色の長髪に同色の瞳。容貌は女性に間違えられるほど整ってるし、細身だけど、そこそこ鍛えてる。 おまけに歌だって上手い。職業が吟遊詩人だから当たり前っちゃ当たり前だけど。『甘い中低音がお腹に来る。歌声を聴くだけで妊娠しそう』って言われるし、得意のリュートで即興で作曲した恋歌をちょろっと贈ったらお堅い令嬢が失神したこともある。 それなのに、ファナは僕の外見にも歌にもなびかない。どれだけ熱を込め、甘く囁いても、手慣れた大人の余裕であしらわれてしまうんだ。まさに鉄壁。難攻不落。 「あぁ、どうすればっ……いったい、どこをどう攻めたら僕に堕ちてくれるんだあぁ」 「お待たせ! ほら、シン。温かいうちにお食べ」 「はいっ、いただきます!」 滑舌の良い掠れ声を聞き取り、ぼやきは即座に封印だ。がばっと頭を上げた反動で、結ばず垂らしたままの長髪が、ばさりと頬にかかる。 「ふふっ。全く、だらしがないねぇ。ほら、髪はちゃんと耳にかけるんだよ」 「……うん」 不意打ちで至近距離に迫ってきた美しい笑みに、息を呑んだ。 あでやかで妖艶、且つ、優しいそれに心の全てを持っていかれた僕の視界で、萌ゆる常葉色が煌めく。ファナがいつも身につけている大きなエメラルドのピアスが眼前に近づいたんだ。しなやかなその指で乱れた僕の髪を梳き直してくれるために。 「今日の堅パンはイチジクだよ。それと、ナツメヤシのロールパン。あと、『追い蜂蜜』は、ここに置いとくからね」 「うわぁ!」 素焼きの大皿にこんもりと乗ったパンの盛り合わせを見ただけで口内に生唾が湧き出る。 ころんと丸い堅パンの表面に埋まってるのは、干しイチジク。ぷちぷちとした食感が心地よく、噛めば噛むほど甘味が増すんだ。対して、楕円形にふんわり焼き上げてるロールパンに練り込んであるのはナツメヤシの実。ねっとりと柔らかな噛み応えが生地のふわふわ感と相まって、こちらも最高。いくらでも食べられる。しかも、菜の花の蜂蜜が『追い蜂蜜』として無料で添えられていて、味、栄養価、客への奉仕、ともに完全無欠っ。 「ありがとう。今日も美味しそうだ」 「ゆっくり、お食べ」 へらーっと笑った僕の頭をそろりと撫でるということをされた。手の掛かる弟程度に思われてて少し切ないけど、僕は満面の笑みを崩さない。この年上美女にべた惚れなんだ。 「それから、イチジクパンに合わせて、今日のビールはミントの配分が多めだよ。さぁ、思う存分、飲みな!」 円卓を震わせて置かれたレバノン杉の酒器にさっと手を伸ばす。この店では、僕の頭部よりも大きな容器になみなみと注がれたビールがパンと揃いで必ず提供されるんだ。 「おっす! いただきます!」 「パンもビールも、あたしの作った物は一片、一滴たりとも残すんじゃないよ」 「肝に銘じてます! ファナのパンとビールは最高! 残すわけないよっ」 諦めない。ファナは諦めない。押して押して、押しまくる。『自身がビールを美味しく飲むためだけに、極上のパン作りに日々励む酒豪』が、この婀娜っぽくも気っぷのよい美女の実の姿だなんて、最高じゃないか。
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ミスミミミと七不思議
¥1,000
SOLD OUT
サークル名:人生は緑色 作家・アーティスト名:小高まあな 七不思議を追うと、いつもそこに彼女がいた。 文芸部の透史は、部長の趣味に合わせ部誌作成のため、七不思議について調べていた。 呪いのピアノ、深夜のバスケットボール、招かれざる生徒、ニセモノの神様……。 友達以上恋人未満のクラスメイトで部活仲間の弥生とは、調査の中で少しずつ距離を近づけていく。 一方、調べていく先々で、変な時期に転校してきた三隅美実とも遭遇する羽目になる。 ちっとも喋らない無愛想な転校生は何かを知っているようだが……。 学園七不思議with三角関係のものがたり
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個人事業主のススメ
¥500
SOLD OUT
サークル名:人生は緑色 作家・アーティスト名:小高まあな 美味しいところだけつまみ食い! 個人事業主系青年の話が大好きな著者による、個人事業主系青年の話の「第1話」のみを収録。 おためしに最適な短編集。 ・自然派弁護士の場合 即独を余儀なくされた弁護士、森川林太郎。 仕事がなく廃業を覚悟した時、現れたのは「たぬき」だった?! ・心霊おパンツ探偵の場合 殺人事件専門の探偵、七瀬八雲。 その正体は「幽霊のパンツ」だけを知覚する異能の持ち主だった?! ・名探偵の場合 行く先々で事件に巻き込まれるある種の怪異「名探偵」、渋谷慎吾。 今回彼の事務所に現れたのは一人の女子高生。実は、彼女の正体は◯◯だった?!
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Dear
¥300
SOLD OUT
サークル名:相沢プロダクション 作家:遠藤敦子 19歳の大学生・大越月(おおごしるな)は、軽い気持ちで始めたマッチングアプリで同い年の医大生・中川真治(なかがわしんじ)と出会う。月と真治のその後の運命はーー?
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青と緑と猫
¥300
SOLD OUT
サークル名:相沢プロダクション 作家・アーティスト名:相沢朋美 2025年8月、筆者は香川県を旅行した。 初日に佐柳島に行き、佐柳島で出会った猫たちの様子を描いたフォトエッセイ。
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今日も本屋で
¥300
SOLD OUT
作家名::Anemone 本屋で働く私の、日々のこと、思うところをまとめた散文集。本が好き。本がある場所が好き。本を読む人が好き。そんなあなたに話したいこと。 〈目次〉 1・憧れの本屋 2・本が好き 3・ブックカバー 4・好きな時間 5・バツマルクン 6・本を買うとき 7・まだ会ったことがない人に贈る 8・日記(2025年3月8日)より 9・ISBNコード 10・日記(2024年4月21日)より 11・on the book 12・日記(2025年3月26日)より 13・私もそれ好きです! 【概要】 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 10×7cmサイズ(広げるとA4) 両面印刷 1枚 クラフト紙 インクジェットプリント
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融解
¥600
SOLD OUT
作家名::Anemone 歪な私と"君"の溶かし合うような日々への想いを綴った短歌を中心とした小さな韻文集。 次第に溶けて合わさっていく二つの氷を定点で捉えた写真と共に、あまりに個人的で身勝手な気持ちの数々をタイトルである「融解」をテーマに一冊に綴じました。 〜 作品より一部抜粋 〜 「ねぇ、きっと、永遠なんてないからさ君の骨を一本ちょうだい」 「舐めかけのトローチみたいな三日月を舌でパリンッと割って分け合う」 【概要】 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 7×14.5cmサイズ 36ページ 表紙(マーメイド紙) 本身(マット紙) リボン綴じ(オーガンジー) ※ホームプリント、手製本です
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珈琲にまつわる短編集
¥300
SOLD OUT
サークル名: 結いの舎 作家・アーティスト名: 江本 結美 喫茶店という小さな舞台から広がる、日常と珈琲の物語たち。 仕事と育児に翻弄される日々に出会った、一杯の珈琲。 失恋の痛みに寄り添ってくれた、ほろ苦い珈琲。 大人になったからこそ抱く、悩みや切なさを綴った短編集。 「おやすみなさい、またあした」 「高校生みたいな恋」を収録。
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やがて怪物
¥1,000
SOLD OUT
サークル名: 結いの舎 作家・アーティスト名: 江本 結美 「ゲームの話だけど、ゲームだけじゃない!」 疲れた主婦が思い出したのは、在りし日のゲームへの情熱だった。 毎日が、誰かのために過ぎていく。 朝は家族の朝食を作り、昼はパートに出かけ、夕方には子どもを迎えに行く。 夜は早くに眠って、また明日が始まる。 そんな日々の“すき間”に、一つの動画を見たことをきっかけに、 彼女は昔好きだった格闘ゲームへの情熱を思い出す。 家族のための時間の隙間に、ゲームをする。 そのわずかな時間を通して知り合うネットの友達、配信者、プロゲーマー。 不思議と訪れる出会いが、段々と彼女を大きな仮想の舞台へ導いていく。 誰も信じてはくれないだろう。 ただのそこら辺にいる主婦が、ネットゲームの中では怪物のように強いだなんて! 家族から得ることの出来ない理解。 現実の自分と、もう一人の自分の、その狭間で揺れながら、 彼女は“今の自分”に名前をつけたくて、戦い続ける。 子育て中の主婦×格闘ゲーム×ネット文化
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何でもない日
¥800
SOLD OUT
サークル名:北羽 作家・アーティスト名:北羽 彼女にD〇siteとF〇NZAの購入履歴を全部見られたり、淫紋タトゥーシールが貼って剥がせなくなったりする日常×雑学×男女ラブコメ
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一人暮らし週5出勤8時間労働正社員が1年間でネーム622Pと完成原稿224P仕上げる方法
¥1,000
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サークル名:北羽 作家・アーティスト名:北羽 働きながら商業・同人で一次創作漫画を描いていて、商業デビューしたばかりの漫画家が、やっててよかった漫画テクニック・時短術をこの一冊にまとめました。このノウハウがあなたの創作活動の一助になれば嬉しいです。 メインは漫画描きに向けたものですが、働いていて時間がない!もっと可処分所得時間が欲しい!という方々にも参考になると信じて作成しました。 同じ内容がDLsite・note・メロンブックス・とらのあなでも購入可能です。 ▽感想ツイートまとめ https://posfie.com/@h_o_k_u_u/p/gGE8NND 電子書籍 Dlsite:https://www.dlsite.com/girls-touch/work/=/product_id/RJ01340720.html note(文章版):https://note.com/hokuu_/n/nd59608c56f58 紙の本 メロンブックス:https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2837957 とらのあな:https://ecs.toranoana.jp/joshi/ec/item/040031223562/ ▼想定する読者層 ・漫画を一通り自分で描くことができる方 ・自分のアイデアを形にできる方 ・描けるけど、修正で時間を取られてイライラする方 ・あと時間さえあればもっと描けるんだよ……!と思ってる方 ・漫画を描くことの優先度が高く、人生のほかの項目の優先度が低い方 ・人間が文化的な生活を手放す瞬間を見ても平気という方 ・漫画のコツ以外にも生活面での時短を知りたい方 ・モチベーションの維持方法を知りたい方 ・漫画は描いてないけど、生活の時短テクが知りたい方 ▼マッチしない読者層 ・漫画を描いたことがない初心者の方 ・自分のアイデアを形にする方法を知りたいという方 ・そもそものネームの切り方を知りたい方 ・漫画のコツだけ知りたくて、生活面の時短に興味がない方 ・絵がうまくなる方法が知りたい方 ・絵が早く描けるようになりたい方 全体的に「ある程度描ける」ことは前提で、現時点で全く描けない人が描けるようになる本ではありません。 あとは時間・モチベさえあれば描けるんだが……!という方に向けた内容になっています ページ数:66P ▼実際に読んだ人の感想コメント ▽脇崎雅也/マンガ用3D素材製作者 ジャンプSQでデビューされた北羽さんが週5正社員で1年でネーム622P、完成原稿224Pを描く為に徹底した時短効率化が描かれた本です。先行して拝読させて頂きましたが漫画家の道を進む全ての方が多くの気づきを得られる本だと思います。皆様是非ご覧ください! ▽伊丹ミナト/漫画家・プロアシスタント 自分が思いつきもしなかったようなアイデアが沢山掲載された創作時間捻出ライフハック本です!創作に関わらず時間を捻出したい全ての人にオススメだと思いました~✨ ▽会社員・女性 創作活動だけでなく日常生活のライフハックとしてもかなり有用ですね…!?度々読み返して有効活用させていただきます!
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本多朔太郎の半生
¥500
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サークル名:朔夜椿 作家名:椿 蘭丸 謎多き美少年【本多朔太郎】の生誕から思春期を、彼を取り巻く級友たちとのエピソードを織り交ぜて書き記した1冊。 仄かに男色香りますが性描写などは一切ないので是非、殿方にも読んで頂きたいと思っております。 多感な少年たちの繰り広げる【日常】を、昭和レトロ風に仕上げました。 純文学などを親しまれている方にも是非読んで頂きたい、自信作です。
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やさしいおにさま。
¥500
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サークル名:朔夜椿 作家名:椿 蘭丸 時は平安、その時は飢饉に追い討ちを掛けるかのように流行り病も流行し、都には屍の山が積み重なっていた。 腹が減るのは人間を主食にしている『鬼』も同じ事で、何処かに生存者はいまいかととある屋敷を訪ねるところからストーリーが始まります。 その『鬼』が人食を辞め人らしい営みをし始めたきっかけとなる童子との、純愛BL小説。 切なくも愛おしい二人の日々を皆様にも見守って頂きとうございます。
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動画制作は雨の日に
¥700
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サークル:カフェのおとも 作家:ちょんまげネコ 付属ポストカードイラスト:以似 進路に迷う大学生、所沢裕太はひょんなことから超有名ゲーム実況者の動画制作に携わることになる。 一見、自由でキラキラした世界を見ながら自分の人生と向き合っていく現代ヒューマンドラマ。 空っぽの彼に降り注ぐは、今だからこそ出来る体験という雨なのかもしれない。 単行本サイズ /P86/ポストカード付/ 一冊完結
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手紙を書いた日
¥800
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サークル:カフェのおとも 作家:ちょんまげネコ 「トリックオアハーブティー!」 子供の頃、ハロウィンの夜に魔女が経営する不思議なカフェに迷い込んだケイは、大人になると魔女と同じような喫茶店の店主になりました。 あの夢のような体験は、子供だったから出来たこと。大人になればもう縁がないことだと諦めていたのに、また何かが始まろうとしていて……。 魔女はきっと、すぐそこに。 あなたの為の現代ファンタジー小説。 単行本サイズ/ P122 / 一冊完結